日本型雇用とニート

 

終身雇用・年功序列型賃金体系
 だんだんコラムの方向性が変な方に行っていますが、JRの事故のコラムを書いていて思い出したことがありましたのでまた書いてみます。大学で日本経済の授業を受けていたときに、日本型雇用についてのレポートを書いたのですが、終身雇用・年功序列と聞くと効率が悪く企業にとっては悪いイメージでしたが、よく考えてみると終身雇用・年功序列は企業にとってもけっこういい制度ではないか、今の日本の社会のひずみは能力主義の行き過ぎが原因ではないか。そんな風に思えてきました。
 今回のコラムは前半は経済的なお話で、後半にニートに結びつけていきます。
 それでは経済のお話。終身雇用制とはいったん就職したら定年まで首は切りませんという制度です。バブル崩壊までは当然のように思われていた制度です。そして、年功序列型賃金体系は、勤務年数が増えるにつれ給料も自動的に上がっていくという仕組みです。もちろん、できる人とできない人で多少の差はありましたが、だいたい年齢に応じて給料が決まっていました。
 これら2つの制度がバブル崩壊とともに、厳しいリストラと能力主義型賃金体系へと変わりつつあります。能力主義とは、能力のある者だけ給料が上がり、また、上がっても好成績を続けないとまた下がってしまうという不安定な制度です。社員の競争心や危機感を煽り、モチベーションを下げないために多くの企業で導入されています。
 では、終身雇用と年功序列の何がいいんでしょう?それは、長期的な視野で仕事ができることです。能力主義では今すぐ成果を出さなければ評価されませんし、給料も上がりません。また、能力主義では自分の成績を上げることに必死になり、会社のためより自分のためになってしまうことです。たとえば、JR西日本が安全対策より儲けに走ったのも、安全対策に力を入れれば長期的に見れば事故を防げ大きくプラスになります。しかし、それは目に見えず対策を行った人の成績には全く反映されません。今すぐ結果を出すには、目に見える数字を出すしかないのです。これは、短期的に見れば利益が上がり会社にも大きなプラスとなります。ところが、今回のように事故を起こしてしまってはそんな利益も吹っ飛びます。



人事にも同じことが・・
 今度はニートのお話です。人事にも同じように今すぐ結果を求められます。したがって、育てるのではなく即戦力を探す方向にどうしてもなってしまいます。これもさっきの話と全く同じです。短期的に見れば、即戦力を探しすぐいい仕事をしてくれれば、人件費はかなり助かります。
 それはまあ納得できますが、いけないのは人材を物として扱うことです。毎日長時間労働や過酷な勤務をやらせ、それについていけない人間はどうぞ辞めてください・・。そんな会社が増えてきてます。これまた人件費は短期的に見て節約できるでしょう。でも、それでは会社に対しての忠誠心は生まれません。それどころか恨むでしょう。会社に誇りや感謝の気持ちを持って働いてもらった方が長期的に見ればプラスになるはずです。そういった考えが今の経営者にはないのではないでしょうか?
 ひきこもりや・ニートになってしまった若者は、確かに忍耐力や礼儀などが十分ではないと思います。でも、経験不足なだけでちゃんと教育すれば、仕事もまじめにやりますから、面接で拾ってきた即戦力より、できる人になる素質を持った人はいっぱいいると思います。育ててもらえればその会社に忠誠心も生まれるでしょうし、会社のために働くことだってできると思います。高卒中卒で就職した今の団塊の世代がまさにそれです。離職率を上げるような仕事をさせるのは、考え直してみてはいかがでしょう?

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